千葉市幕張のサックス教室「Coccole音楽教室」

代表のサックス講師、鈴木博子です。

今日は、私が最近試してみたアルトサックスのリード「Vandoren V21(ヴァンドレン V21)」について、レビューを書いてみたいと思います。

結論から言うと、「V21」はコントロール性と豊かな音色のバランスが非常に良く、初心者から中級者、そしてこだわり派のプレイヤーにもおすすめできるリードだと感じました。

この記事では、使用感・音の傾向・他リードとの違い・おすすめの人などを詳しく解説していきます。

■ Vandoren V21とは?

まずは簡単にV21についてのご紹介を。

「Vandoren(ヴァンドレン)」は、世界中の木管楽器奏者に愛されている、老舗リードメーカー。

クラシック・ジャズ問わず幅広いプレイヤーに支持されています。

中でも「V21」は、比較的新しいモデルで、「56 Rue Lepic」と「V12」リードの特性を融合させたハイブリッド設計です。

メーカーによれば、**「レスポンスが良く、芯のある音色」**が特徴とのこと。

カットは「アンファイルド・カット」と言い、「Vandoren JAVA」などと同じカットです。

カットだけで言うとジャズ向きと思われがちですが…

(写真左がV21、右がトラディショナル)

果たしてどうなのか?実際に使ってみた感想をお伝えしていきます!

■ 試してみた環境

  • 楽器:Selmer serieⅢ  GP

  • マウスピース:Selmer Consept

  • リガチャー:JLV GP

  • リードの硬さ:3

  • 使用ジャンル:クラシック系の練習、ポップスなど

このセッティングで、試してみました。

■ 吹いた瞬間の第一印象:「コントロールしやすいのに音が深い!」

最初の1音で感じたのは、「吹きやすさ」と「芯のある音の太さ」の絶妙なバランスです。

特に良いと思ったのは以下の3点:

  1. 音の立ち上がりがスムーズ
     息を入れた瞬間に音がスッと出ます。初心者の方でも安心して使えるレスポンス。

  2. 音がブレない
     中音域〜高音域まで安定しており、ピッチも合わせやすい。特にソロやアンサンブルでの使用に向いていると感じました。

  3. 倍音が豊かで響きがある
     「音が遠くまで飛ぶ感じ」「輪郭がはっきりしている」という印象があり、ステージ演奏にも向いていそうです。

■ V21の特徴をもっと詳しく!他のリードとどう違う?

◉「V12」と比べてどう?

「V12」と比べると、V21の方がより軽やかで反応が早い印象です。V12はやや暗めで厚みのある音ですが、V21は明るくクリア

音抜けの良さを感じました。

◉「トラディショナル(青箱)」との違いは?

「青箱」は多くの人が最初に手にする定番リードですが、V21の方が音の奥行きがあると感じました。

青箱は柔らかめで鳴りやすい反面、音が軽くなりがち。V21は「しっかりした音が欲しい人」に向いています。

また、音量が出やすいので、音量が出にくい方や、音量が求められる吹奏楽やポップスのシーンでも活用出来ると感じました。

■ 硬さの選び方について

私は普段3を使っていますが、V21はやや硬めの設計なので、普段よりワンランク下げて使うのがちょうど良いかもしれません。

リードの個体差もありますので、2枚くらい試して自分に合うものを見つけるのがベストです。

■ こんな人におすすめ!

  • サックス歴1〜3年の方で、次のステップに進みたい人

  • 吹奏感が軽く、でもしっかりと鳴るリードを探している人

  • 表現力や音色にこだわりたい方

  • クラシック、ポップス、ジャズなど幅広く対応したい方

個人的には、発表会や本番のために1枚持っておくと心強いリードだと思いました!

■ 気をつけたいポイント

良い点が多いV21ですが、唯一気になるとすれば「価格」です。1枚あたりの価格がやや高め(1枚450円〜500円)なので、コストパフォーマンスを気にする方には少しハードルが高く感じるかもしれません。

ただし、リードの持ちが良いと感じたので、コスパ面も十分に納得できます。

■ まとめ:V21は「次の一歩」にぴったりのリード!

Vandorenの「V21」は、初級〜中級者がより深みのある音を目指したいときに選びたい1本です。

・音の反応が良くてコントロールしやすい
・倍音が豊かで、ステージ映えする
・青箱からのステップアップにも最適

もし今、リード選びに悩んでいる方がいたら、ぜひ一度「V21」を試してみてくださいね。自分の楽器が一段と「歌ってくれる」感覚、味わえますよ♪

【おまけ】リードは「育てる」ことも大切!

最後にひとつだけ。
リードは使い込むほどに、自分の息に馴染んでいきます。最初から完璧な1枚に出会うことは少ないですが、1週間くらい丁寧に使ってあげると、見違えるほど良い音になってくれます

ぜひ、お気に入りのリードを見つけて、楽しいサックスライフをお過ごしください♪

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